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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第3章 後編 王の願い 少女の想い



ユーリが彼の様子を伺っていると、出ていくわけでもなく何故かこちらに近づいてきた。

そしてソファーに座っているユーリをひょいと持ち上げる。

「いや、何やってるんですか」

咄嗟のことでされるがままだったが、降りようと身を捩る。

すると突然手を離され、降ろされたのはベットの上。

ユーリはハッとすると上から覆いかぶさってきたシャンクスを手で押しのけた。

「まて、なぜこうなる」

ユーリは顔を引きつらせると視線を泳がせ逃げ道を探る。

今では海楼石は付けられていないが、そもそも力で彼に勝てるはずがない。

ましてや、今の彼は片腕ではないのだ。

「なぜって、おまえを抱くのに理由がいるのか?」

「それは大いにいると思いますが。後私の意思も」

攻防戦を続けている間にも簡単に脱がされていく服。

「愛の言葉でも欲しいのか?」

「いえ結構です」

口元に笑みを浮かべている彼は、やはりからかって私で遊んでいるのだろうか。

勘弁してくれよと思いながら、ユーリは諦め悪く抵抗を続ける。

「そうだな、じゃぁ理由は」

無駄なあがきと分かっていても抵抗を止めない彼女に、ふと彼の口元から笑みが消えた。










「久しぶりの両腕で最初に抱くのはユーリがいい。後おまえの意思は関係ないな」

真っすぐと交わった視線に、不本意ながらドキッとする。
しかし、後半の言葉にユーリは再度顔をひきつらせる。

「なるほど、それで私が泣いて喜んで応じるとでも?」

「いや、思ってねぇな」

クツクツと再び笑みを浮かべている彼の本心は、本当に分からない。

駄目だ、このまま言葉と力の攻防戦を続けても私が勝てる可能性はない。

何時の間にか半裸になっているユーリ。

身体に這わされた彼の手が思いのほか冷たくて、思わず身を震わせる。

「さて、お喋りはここまでだ」

ユーリの抵抗をものともせず合わせられた口づけ。

シャンクスの肩を押しやるが、まるで意味をなさない。

口内に差し込まれた舌に翻弄されながら、ユーリは遂に諦めて両手をベットに沈めた。

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