第2章 中編 古代都市シャンドラ
「おいユーリ!ちょっとまずいことになったぞ!」
幾つか言葉を交わしている二人の元に、プルトンが舞い降りてきた。
少し焦ったように上空を指さす彼の視線の先には、多くの機械。
いや、あれは…
「…ウラヌス?…私?」
ユーリは己と同じ容姿をした大量の機械に、目を見張る。
その数は数百体にも及んだ。
確か以前にユーリに関するデータが盗まれたと言っていた。
あの不完全な情報を元にここまで再現したというのか。
威力や精度はどのくらいのものか分からないが、面倒なことになったのは変わりなかった。
いや、まてよ…
ふと、ユーリの脳裏にある考えが過った。
シャンクスに重い責任を負わせることなく、世界を救う方法を。
「プルトン、急いでポセイドンを呼んできて!」
「はぁ?おまえ国民はどうするんだよ?」
「そんなの結界を張ったままくればいいでしょう?」
「人使いが荒いな。あいつにキレられるぞ」
プルトンは肩を竦ませると、一瞬にしてその場から消え失せる。
彼は聡い。ユーリの必死さを見て、直ぐに行動に移してくれた。
「シャンクス、今から話す作戦を、よく聞いていてください」
ユーリの視線の先は、上空に浮かんでいる大量の機械。
チャンスは恐らく一度きり。
失敗は、許されないんだ。