第2章 中編 古代都市シャンドラ
ーーー条件は、力と器です。力とは命であり、エネルギーでもあります。この世界で最も力があるのは古代兵器でしょうか。彼らの力を1つにしてもまだ足りないので、後は自分で考えてください。
…あぁ、やっぱりそう来たか
ーーーあなたにこれを渡しておきます。この石はポーネグリフと言って、あらゆる力を飲み込むことができます。器としての素質は、あなたしかいません。この石に力が溜まると、鐘が鳴ります。その時、あなたが望むルールを述べてください。そうすれば我々との盟約は完了します。
シャンクスの手元に降りてきた、正方形の石。
この小さな石に、あらゆる力を飲み込めるというのだろうか。
「…因みに、今まで成功した奴はいるのか?」
ーーー5000戦年前の古代戦争の時に辿り着いた者がいますが、彼は失敗しました。それ以降、誰一人としてここまでたどり着いた者はいません。
…つまり、力が足りなかったという事か。それ以降誰も辿り着かなかったという事は、シャンドラが神に祝福されたことと何か関係があるのか?
ーーーあなたが選んだ選択に、祝福を。
シャンクスは手元の石を握り締めた。
ユーリだけではない。
もっと多くの命を犠牲にする必要があるのだ。
世界の平和を願う傍らで、多くの命を犠牲して、本当に意味があるのか?
今更引き返せないのは分かっている。
答えなど、最初から決まっているはずだ。
脳裏にユーリの言葉が過った。
ーーーー条件の中に私が入っていても、あなた迷いことなく盟約を結べますか?
……そうだな、おれは……
……盟約を、結ぶしかねぇだろ…
それを聞いて安心しました。
儚く笑ったユーリ。
その表情が、脳裏に焼き付いて離れなかった。