第2章 中編 古代都市シャンドラ

「シャンクス、あなたには覚悟がありますか？」

「覚悟？」

「盟約を結ぶには、生半可な気持ちでは駄目です。シャンクスがどれだけの覚悟をしてるかによっては、私はあなたを止めることになる」

「ははっ、それはまた手厳しいな」

「冗談ではありません。あなたは何を望まれても、それを提供できるんですか？」

「…あぁ、出来るさ。命だろうが魂だろうがくれてやるよ」

「……はぁ」

「…おい、なんでため息をつくんだ」

「提示される条件が、あなたに関するものだけだとは限らないと言う事です」

「……」

「あなたは、シャンドラの国民全ての命と引き換えに、この世界を救おうと思いますか？」

「…それは、分かっているさ。何もおれだって考えなしにこんなことをしようとしているわけじゃない」

「なるほど、中々に無慈悲な考えをお持ちで」

「なんだよ、おまえから振っといて傷つくなぁ」

「まぁ、正直安心しました」

「もしそうなったら、おれも散っていった命と一緒に逝くさ」

「死にたがりですね」

「誤解するんじゃねぇぞ。おれだってまだまだ人生を楽しみたいんだ」

「そうですね、冒険に出たいって言ってましたよね」

「なんだ、覚えていたのか」

「えぇ、その時は仕方ないので着いて行ってあげますよ」

「お、仲間になってくれるのか？」

「あなたの脳内はどうなってるんですか？指輪まで渡しておきながらまだそんなことを言うのですか？」

「冗談だって、怒るなよ」

「まぁいいですけど。……さて、本題に入ります」

「ん？まだ何かあるのか？」

「提示される条件の続きです」

「……」

「その条件の中に、私が入っていても、あなたは迷うことなく盟約を結べますか？」

「……」

「無慈悲なあなたなので心配は不要かもしれませんが、一応確認の為に聞いておきます」

「…おまえ、それワザと言ってるだろ」

「そうですね。で、答えは？」

「……随分残酷なこと聞くじゃねぇか」

「返答によってはあなたの足を折ってでも止めます。最初に言いましたよね？生半可な気持ちでは駄目だと」

「……」

「さぁ、あなたの覚悟を聞かせてください」

「……はぁ」


















「そうだな、おれは……」