第2章 中編 古代都市シャンドラ
シャンドラの国民の避難が順調に進んでいく中で、シャンクスは一足先に祭壇へと向かうことになった。
今まで知らなかったが、祭壇近くには地下があるらしい。
空中に浮かんでいるシャンドラの地下とはよく分からないが、その中核に儀式の間があるとか。
家臣達に別れを告げて、彼は大きな空洞の中へと進んでいく。
ユーリが手を伸ばすと、そこに壁があるかのように先に進めなかった。
ここから先は、選ばれた者しか入ることが出来ない。
Dの名を持ち、かつ神の血を引くものだけが入ることを許される。
シャンクス・ロジャー・ルフィーの祖先を辿ると、神と人間の間に出来た血族だという事が最近分かった。
そして謎の力と病は、人間の身体で神の力は耐え切れないがために起きた遺伝子異常。
結局、治療の方法は未だに分かっていない。
ユーリはシャンクスの姿が見えなくなるまで、その場に立ち尽くしていた。
「そろそろ行こうぜ」
茫然としているユーリに掛けられた言葉。
シャンドラを守るために集まったのは、ユーリとプルトンだけではない。
エース・ルフィ・ロー、そして何名かの家臣たちがこの場に残ってくれた。
ユーリは彼らに続き、この場を後にする。
仕入れた情報によると、数日後にこの国は襲撃される。
相手は世界序列6位と9位の国だが、まずは様子見といったところだろうか。
国民の避難は今日中に終わる予定だ。
ユーリはこれから続く長い闘いに、気を引き締めた。