第2章 中編 古代都市シャンドラ
「…お互い、残された時間は少ないんだ。だから最後のその時まで…」
シャンクスはユーリを下ろすと、その前に膝を付き彼女に残された左手を取った。
「おれの妻として、共にいてくれないか?」
シャンクスの右手には美しい緑色の宝石を飾った、指輪が乗せられていた。
「…え?」
ユーリの手を取り、見上げている彼の瞳に宿る強い意志。
ユーリは言葉に詰まった。
言われなくても、彼女は最後までシャンクスと共にいるつもりだった。
だけど、これは違う意味なのだろう。
ーーー…う…れし…い…?
ユーリの頬を、一筋の雫が流れ落ちた。
「…はい、ずっと一緒にいます。ずっと一緒に、いさせてください」
静かに伝えられた彼女の言葉。
頬を濡らす傍らで、彼女の口元は笑みを浮かべていた。