• テキストサイズ

王の孔雀石【ONE PIECE 】

第2章 中編 古代都市シャンドラ



「正直、上手く行くとは限らない。だからおまえも、国民と一緒に逃げて欲しい」

シャンクスは一人でここに残るつもりだった。

こんな時こそ私たちを頼ればいいものを。

彼の言葉に、ユーリは眉をひそめた。

「この国が無人だと分かると、標的が変わる可能性があります。だから私とプルトンも残り、彼らを迎え撃ちます。まるで大勢の人がいるように振舞えば、逃げた人まで被害はいかないでしょう」

「…しかし…」

「待ってます。私はシャンクスを信じて待ってますから、あなたも私を信じてくれませんか?」

視線を合わせ真っすぐと伝えられたその言葉。

はっきりとした口調は、有無を言わせない強さがあった。

「…まいったな…そう言われてしまうと、断れないだろ」

シャンクスは苦笑した。

ユーリのことは誰よりも信じている。

だからこそ彼女には、この国を託したかった。

「おまえには敵わないな」

ユーリがいると不安も迷いもなくなる。

あれだけ迷っていたのに、彼の心はすでに決まっていた。

「おれが戻るまで、この国を頼む」

シャンクスが告げた言葉に、彼女はしっかりと頷いた。

彼女と二人なら、きっとどんな困難でも乗り越えられる。

そんな錯覚にすら陥った。
















「ユーリ」


暫し無言で見つめ合っていたが、徐にシャンクスが彼女を呼んだ。

ユーリの表情は相変わらず無表情だが、僅かに首を傾げて彼の言葉を待つ。

そんな彼女を愛しそうに彼は見ていた。





/ 242ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp