第2章 中編 古代都市シャンドラ
シャンドラが空中に浮いて半年が経った。
その間変わったことと言えば、色々ある。
まずシャンドラという国が、他国から敵視されるようになったことだ。
それも1つや2つではない。
シャンドラ以外の20カ国全てが、侵略の機会を狙っているようだった。
シャンドラの持つ兵器を脅威と見なし、弾圧するという名目で作られた同盟。
水面下で戦争を起こす準備が進められていると、ここ最近シャンクスの耳に入って来た。
当然、直ぐに侵略されるほど今のシャンドラは弱くない。
だから暫くは、他国との冷戦状態が続くだろう。
食料もその他の物資も間に合ってるので、冷戦状態なのは特に問題はない。
ただ、シャンドラという国が孤立してしまった。
国民からは心配する声も上がっている。
もちろんシャンクスも、今の現状を思い悩んでいた。
「…シャンクス…例の件だが…」
他国の資料を確認していた彼の元へやってきた家臣の1人。
彼の口から告げられた言葉は、家臣の中から裏切り者が出たという事だった。
「…そうか、ティーチか…」
シャンクスは腕を組むと何かを考え込んでいるようだった。
ただ、国を出ていっただけならそこまで追求する必要はなかった。
問題なのは、彼が古代兵器に関する資料を持ち去ったことだ。
古代兵器の中で、ユーリだけは定期健診の為に色々な資料を取っていた。
人間が解明できるものなど数少ないが、その中にはユーリから教えられた技術も入っている。
ーーーこれは、早く手を打たないとまずいな
シャンクスは家臣を下がらせると、ユーリの元へと向かった。