第2章 中編 古代都市シャンドラ
「んー?おれが舐めたいから?」
「いや、だからどうして…」
「好きな奴に触れたいと思うのは自然なことだ。触れ方も手で触ったり舐めたりと色々あるぞ。…もしかして嫌だったか?」
シャンクスの問いかけに彼女は首を横に振る。
疑問に思うが、不快感は感じてないのだろう。
その様子に彼は笑うと、再び愛撫を再開した。
既に上半身の服は剥ぎ取られており、小ぶりな胸が晒されている。
片手で容易く覆うことができるそれに、少しだけ罪悪感のようなものが沸き上がったが、まだ止める気はなかった。
人間に忠実に作られてるだけあった、感触もリアルだった。
胸の中心に色づく頂に指を這わせて、もう片方に舌を這わせる。
ユーリから声が上がることはなかったが、落ち着かないように身体を動かしていた。
ーーーな、舐めるのは何となく分かったけど、胸を吸う必要性はなんだ?
ユーリが読んだ本には、女性の胸からは赤ちゃんを育てるのに必要な母乳が出ると書いてあったはず。
当然、母乳なんて出ないしシャンクスも大人だ。
ユーリの持つセックスに関する知識など、理科の教科書に載っているおしべとめしべの受粉レベルである。
そもそも対象が植物の時点で色々間違っているが、ゴミ山から見つけられた本など大したものはなかった。
ーーーいや、こんだけ吸ってるということは、もしかしたら何か出るかも?
ユーリとて己の身体の全てを知っているわけではない。
逆にシャンクスは、勝負に勝つほどユーリのことをよく知っていたので、何かを知っている可能性がある。
胸への愛撫を止めて上体を起こしたシャンクスをユーリは見ていたが、徐に自分の胸を掴んでみた。
ーーーせっかくなら彼が喜ぶものが出たらいいのに。……喜ぶもの……酒…?
「おい、何をしているんだ?」
ユーリの奇行に一瞬驚いたような表情をしたシャンクス。
何かを絞り出そうとしているユーリの手をやんわり掴むと、その瞳を覗き込んだ。
「…えっ…絞ったら…何か出るのかと…」
「何かって何だ?」
「うん?………牛乳とか?」
辛うじて酒だという回答を避けたユーリ。
流石のユーリも、胸から酒が出るはずがないのは分かっていた。