第2章 中編 古代都市シャンドラ
結局、ユーリの疑問に答えが見つからないまま夜になってしまった。
もうすぐでシャンクスが戻ってくる。
だから、得た情報でどうにかするしかなかった。
「スタートの方法として、クラウチングスタートとスタンディングスタートがあるようですが、どちらがいいですか?」
シャンクスが部屋に戻ると、突然意味のわからないことを言われた。
床にしゃがんでいるユーリは何かに備えて構えているようだ。
当然シャンクスは反応に困り、開けた扉をそのままに立ち尽くす。
「……なんか、競技でもやるのか?」
回らない思考でたどり着いたその可能性。
ユーリが競技をする意味も分からなかったが、それしか思いつかなかった。
「そうです。人間が喜ぶ、エロい競技です」
「は?」
「さぁ!好きな方を選んでください!」
そう言って構えている彼女は、よく分からない自信に満ち溢れていた。
聞き間違いでなければ、彼女は何かエロいことをしようとしている。
言葉だけで見れば喜ぶべきなのだろうが、あいにく状況が理解不要だ。
さらに言うなら、人間という人種に何やら誤解を抱いている。
シャンクスはその場で固まること少し、再び我にかえると彼女に今の状況に至った経緯を話させた。
「…だいたい分かった。……で、どうしてそうしようと思ったんだ?」
シャンクスは今にもスタートダッシュしそうなユーリを抱えると、共にソファー座る。
そして経緯聞いて最初に思ったのが、彼女を先に止めて良かったと言うことだ。
損傷してるとはいえ、あの力で部屋の中を全力疾走されたら、この部屋は見る影もなくなるだろう。
シャンクスはユーリの頭を撫でるとそっと苦笑した。
「それは私も分からないです。ただ、あなたに何か恩返しをしたいと思っただけで…」
ユーリの思っていたエロいことが違うと分かると、再び振り出しに戻ることになる。
そうなると回りくどいやり方はやめて、シャンクスに直接聞いたが早い気がした。
シャンクスはユーリの言葉で、何を考え込んでいる。
ユーリは彼の腕の中で、大人しく待っていた。