第2章 中編 古代都市シャンドラ
「んなことはあいつに聞けよ」
あの後、ルフィとの話題はそれて最終的に食い物の話になった。
そしてそのタイミングでルフィを探していたローが現れる。
ルフィは逃げたが、捕獲されて問答無用で注射を刺されていた。
その後彼は諦めた様子で部屋を立ち去り、今に至る。
ユーリは再び何をされたら嬉しいかローに聞いてみるが、予想通り答えなんて貰えなかった。
なんとも前回と似たようなやりとりに、彼女は早々に諦めるしかなかった。
「……あいつは、難しいぞ」
「え?」
「飄々としてて、何考えてるか偶に分からねェ。そもそも何であいつに尽くすんだ?」
会話は終了したと思ったが、意外にも彼から続けられた。
ローはユーリがシャンクスを好きなんじゃないかと思ってるようだ。
もちろん、そうならば話は早いだろう。
しかし彼女は、そう思えるような感情も機能もない。
だから彼女なりに手探りで、この行動の意味を探そうとしているのだ。
「恐らく報われねェぞ。もう残された時間はない。それでもおまえはいいのか?」
ロー自身も、ここまで親身に話を聞いてやる必要はなかった。
前回といい今回といい、自分らしくない行動に戸惑いすら覚えている。
「いいんです……私に残された時間も…ないですから」
そう言った彼女の表情は無表情だったが、どこか思い詰めてるようにも見えた。
「…そうか」
だからローも、2人を見守ろうと思ったのかもしれない。
いつか来る、別れの日まで。