【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第7章 Tigridia pavonia -助けて-
「あなたは美術館を所有していると聞いたのだが…そういったものに興味があるのか?」
「いえ、父の遺産の一つです。私には絵画や彫刻などの品には明るくありません。…なぜ、そのようなことを?」
「そうか。なら忘れてくれ」
私が聞き返すと、クラピカさんはほんのちょっと肩を落として俯いた。
「何かあれば遠慮なく聞いてください」
クラピカさんの暗い様子が気になって、私は彼の顔を覗き込むようにして笑った。
すると、クラピカさんがちょっとだけ顔を上げた。
「なら、その美術館にどういった品が置かれているかわかるか?」
私はすぐにこくりと頷いた。
「えぇ。私でもきっとわかると思います」
「本当か!?」
「え、えぇ。さすがに全てではありませんが…。自宅にいたくなくて美術館に入り浸っていた時期があったので…」
途端にクラピカさんが目の色を変えて身を乗り出してくるものだから、驚いて少しのけぞる。
クラピカさんは「驚かせてすまない」と謝ってくれて、私は座席に座り直した。
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