【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第2章 Hardenbergia -奇跡的な再会-
「あなたに…ちゃんとお礼言えてませんでしたから…。その、あの時はありがとうございました」
彼と話したかったこと。
それはあの夜、私を助けてくれた彼に感謝の気持ちを伝えたかったから。
「言ったよね?キミを助けたわけじゃないって」
そしてまた、あの夜振り払われた手のように私の言葉も振り払われる。
「わかってます。わかってるんですけど…どうしても言いたくて…」
どうしてもあなたに伝えたかった。
父の命令で好きでもない男に嫁いで、権力と金を欲しいままにし、私を売女のように扱ったあの男をどれほど憎んだかーー…
そんな男の息の根を一瞬で止めたあなたに、どれほど感謝してるのかーー…
私は込み上げる気持ちを抑え、胸に両手を当てて心を落ち着かせる。
「本当に…本当に感謝しております。ありがとうございました。…それでは」
私は頭を下げ、踵を返した。
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