【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第2章 Hardenbergia -奇跡的な再会-
「ねぇ」
不意に彼が私を呼び止める。
「名前は?」
名前…。
立ち止まり、彼の方に振り返る。
「シュピールツォイク。私のファミリーネームです」
あなたもきっと、それで納得するわ。
そして、目の色変えて私にーー…
「ファーストネームは?」
彼は首をかしげた。
「ファーストネーム?私の…でしょうか?」
思わず聞き返してしまうと、彼は大きな目をパチパチさせた。
「うん。そうだけど…」
私はびっくりして目を丸くする。
「すみません。あまり聞かれないもので」
「そうなの?」
「えぇ。私の価値は"シュピールツォイク"の娘であること。だからファミリーネームさえわかっていれば商取引でも…売春でも、たとえゲイルのように婚姻したとしても…他はどうでもいいんです。それ以外に私に価値なんてないわ」
泣きそうになりながらも、私は笑顔を取り繕った。
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