第6章 Meadow Saffron -危険な美しさ-

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個別の病室で色々な機械の管や点滴をつけられ呼吸器で息をするフラン。

泣き疲れて頭が痛い。

それでも眠れるはずもなく、ただこうして泣き腫らした目をこすりながらフランの手を握り続ける。


ここに来るまでのことは…よく覚えていない。

あの後すぐに警察と救急に保護されて…たぶんそれで病院に来たのだろう。


｢お嬢様｣


後ろから声が聞こえて振り返ると、ベラードが病室の扉を開けて立っていた。

ベラードも頭をひどく打ってたから、額辺りにぐるぐると白い包帯が巻かれている。


｢少しお休みになられては…｣


私が首を横に振ると、ベラードは少し心配そうな顔をしながら扉を閉めた。


｢ベラード、本当にごめんなさい。私のせいで…｣

｢何を仰いますか｣


ベラードは私の隣に立つと、そう言って微笑んでくれた。


｢あなたは…大丈夫なのですか？｣

｢若い頃から嗜んでおります武道のおかげでこの通りでございます｣


ベラードは肩を回したりシャドーボクシングをしたりして笑って見せる。

その様子に、私も安心して少しだけ笑う。


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