【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第6章 Meadow Saffron -危険な美しさ-
パァンッッ!!!
銃声と同時に私の目の前が暗くなる。
一瞬、死んだのかと思ったが、そうじゃないことを頭が理解した時ーー…
ドサッ
目の前でフランがゆっくりと倒れた。
倒れた先には白い煙を一筋立ち昇らせた黒い銃口がこちらを向いている。
「あ…」
恐る恐る視線を床に下げると、脇腹から血を流したフラン。
ぴくりとも動かない。
「あぁ…ッ」
フランが…私をかばってーー…
フラン…フランーー…
「いやぁああああああああ!!!フラァアアアンッッーー…!!!」
泣き叫びながら床に崩れ落ちる。
這いずりながら覆いかぶさるようにフランの体を抱きしめる。
フランの残された体温なのか、流れ出る血の温度なのか…生ぬるい温かさと血のにおいで、頭がおかしくなる。
目の前の出来事が受け入れられない。
何も考えられない。
自分の涙と嗚咽で、何も見えないし何も聞こえない。
「チッ。これからがお楽しみなのに。時間切れね。一旦引くわ。これで終わりじゃないから覚悟なさい」
ただ…朦朧とする意識の中でかすかにわかったのは、パトカーのサイレンの音と彼女の捨て台詞だった………
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