【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第2章 Hardenbergia -奇跡的な再会-
「どうにか…追えるかしら?」
気配と勘だけを頼りに、しばらく彼を追っていく。
父の顔色、母の顔色、私を色目で見る男の顔色、哀れむ使用人たちの顔色ーー…
父の命令通りに動けと言われ、色んな人の顔色を伺いながら生きてきた。
そんなだからか、人の動きと気配にとても敏感になってしまった。
そこから人の感情を読み取らないと、私はまた父に怒鳴り散らされ、怖い目に遭う。
でも、こんなところで役に立つなんて思わなかった。
狭い路地裏に入る。
何でこんな狭い所なんか通ったのかしら?
…でも、彼に会えるならいいわ。
彼に少しお話をーー…
「何でついて来るの?」
突然目の前に逆さまの顔が現れる。
「きゃ!」
心臓がバクッとした衝撃で尻餅をつく。
「痛たた…」
おしりをさすりながら見上げると、探していた彼がビルの配管から逆さまにぶら下がっていた。
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