【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第3章 Calendula -失望-
「ごめんなさいごめんなさい!でも、本当に嫌なんです…!ご、後生です〜!"ソレ"がいなくなるまでこのままでお願いします!!」
私はイルミ様の服を掴んで懇願する。
だって、本当に苦手なものは苦手!
今降ろされたら気絶できる自信がーー…
「いいよ。キミなら嫌じゃないし」
「えっ…?」
その言葉にドキッとする。
嫌じゃ、ない…?
「あ!そうだ!」
彼はパッと何かひらめいて右の人差し指を立てた。
「もうチェックアウトしちゃおうよ。この部屋出るまでは抱っこしててあげる」
彼はそう言うと、私の体を支え直してまだ広げてもいなかった私のスーツケースを右手で持った。
「ドアの方にアレがいるから窓から出るね」
「え?窓からって……きゃあああ!!!」
私が"はい"というのも待たず、イルミ様は私とスーツケースを抱え、3階の窓から飛び降りた。
私は思わず目を閉じ、イルミ様の首にぎゅっと抱きついた。
すぐにストッと軽い音と衝撃がする。
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