【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第3章 Calendula -失望-
それに私、本来はこんなに行動力なんてないのに…。
家にいて本を読んで、庭に咲く花の手入れをして、たまに肥料と新しい苗を買いに行くついでに花屋さんを回るーー…
それが私の幸せな日常。
内向的な私がただ求めるままに、会いたいと願う感情のままに、国をまたいで追いかけてきた。
私、どうしちゃったんだろう?
…寂しい。
会いたい。
はぁ、と思わずため息をつく。
体が冷えてきた。
窓を閉めようと手をかけた刹那ーー…
ガシッと私の窓を閉める手を阻むように何かがつっかえる。
そして、あれだけ満月で明るかったのに不意に目の前が暗くなった。
「あ…!」
私は思わず声を上げた。
「やあ」
目の前には、ついさっきまで会いたいと願っていた彼ー…イルミ様が長くて綺麗な黒髪をなびかせてる。
って!
いやいや、そうじゃなくて!
あなたがいる所!
窓の外!!!
そしてここ3階!!!
「ど、どうやって!?ここ3階ですよ!?」
「え?普通に登ってきたんだよ」
彼は"よっ"と窓枠に手をかけて中にシュッと入ってくる。
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