【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第3章 Calendula -失望-
「いいえ。ただ…気持ちが急いてしまって…」
グラスの中の氷がカランと鳴る。
彼のことを思い出すと、自然と笑みがこぼれてしまう。
「二度、お会いしたんです。最初は私の元主人が殺された時、二度目は私の両親の時…」
私はつらかった日々のことを思い浮かべ、うつむきながらも必死に笑って見せた。
「おかしいですよね、私。本来ならみんな大切な人のはずなんですけど…色々あって…。でも、彼が殺してくれた。突然私の前に現れて、私が恨んだ人間をみんな消してくれました。あのままだったら、私の心は死んでしまうところでした。彼は…私の恩人なんです」
口を挟まず、ただ聞いてくれていたゼブロさん。
顔を見上げると、ゼブロさんがハッと何かを思い出したように口を開けていた。
「もしかして…あなたがリリア・シュピールツォイク様ですか…?」
「え、えぇ…。そうですが…」
目をまん丸くして固まっているゼブロさん。
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