【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第3章 Calendula -失望-
「えぇ…まぁ。他のご兄弟でさえも過去に一度もなかったもので…」
兄弟…?
イルミ様って、ご兄弟いらしたのね。
「そうですね。ここで立ち話もなんですし、管理人室でゆっくりお話を…」
そう言ったゼブロさんに連れられ、門のすぐそばにある小さな…でもしっかりと作られていそうな小屋を指差した。
小屋に入ると、簡素なテーブルと椅子があり、席を促され、座ると、ゼブロさんが氷の入った冷たいお茶を入れてくれた。
私はお礼を言って一口飲む。
はぁ…。
ここに来るまで足早に来たし、出発してから初めて心がひと息つけた気がする…。
「ハハハ、随分とお疲れだったようですね」
ゼブロさんはそんな私を見て朗らかに笑う。
「すみません。すごく急いで来たもので…」
苦笑いしながらグラスを置く。
「そりゃまたどうして?何か、イルミ様にお会いするのに急ぎの御用が?」
私はゆっくり首を横に振った。
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