【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第3章 Calendula -失望-
「あの、何か…?」
「あ、あぁ…いやね、いつもご帰宅される時は颯爽とあの試しの門をⅤまで軽く開けて行かれるんですが、つい数週間前は違ったんですよ」
「違った…?」
「えぇ。何か悩みながら首をひねっておられて…。あの日はⅢまでしか開かなかったんです。さすがに何事かと思ってイルミ様に思わず聞いてみたら、こう仰ってたんですよ」
ーーー…
「今日、仕事で初めて心から感謝されたんだ。本気で泣きそうになりながらさ、"ありがとうございました"なんて…不思議だよね。
それにさ、自分でもわかってないのにオレのこと身を挺して守ろうとしたんだよ。リリア・シュピールツォイクって言うんだけど。
あ、こんなこと言っちゃったけど、もちろん依頼人じゃないから。ターゲット側の人間。だからさ…余計に不思議なんだよねぇ…」
ーーー…
「ようやく合点がいきました。あなたが件のリリア様でしたか」
ゼブロさんは穏やかに微笑んだ。
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