【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第3章 Calendula -失望-
「いえ、この度はある方を訪ねて参りました」
「訪ねて?暗殺の依頼ですか?」
ゼブロさんは首をひねる。
「いいえ、本当にただ会いたくて来ました」
「へぇ…。そりゃあまた酔狂な…。それで、どなたにお会いなさりたいんでしょう?」
ゼブロさんははてさてとさっきから不思議そうな顔をしている。
観光以外の目的でそんなに人訪ねてこないのかな?
まぁそうだよね。
殺し屋の一族だもん。
本物の暗殺者。
約束を守ってくれた、私の恩人。
私は彼のことを思い出して笑顔を浮かべて言った。
「イルミ・ゾルディック様…ですわ」
「イ、イルミ様に!!?」
ゼブロさんは腰を抜かしそうな程びっくりしたのか、少しよろけてしまう。
「だ、大丈夫ですか?」
私が手を貸すと、ゼブロさんは情けない声を出してハハハと笑った。
「あのイルミ様にこんな素敵な女性が訪ねて来るなんて…。いや、そもそもここへイルミ様にただ会うこと目当てでやって来るのは、あなたが初めてですよ」
「え…そうなんですか?」
_