【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第21章 Echinacea -痛みを癒す-
しばらく歩くと、リリアがふと「イル…」とつぶやいた。
「ん?」
イルミがリリアの方を見やるが、彼女は先程と同じくすやすやと寝息を立てるだけ。
「寝言?」
イルミは首を傾げる。
「リリィ、寝ながら何回オレのことーー…」
「行かないで…」
その言葉に、ハッとして立ち止まり、リリアの寝顔を見つめる。
今度は泣きそうな顔でぎゅっと拳を握っていた。
「イル…っ」
「…ここにいるよ」
寝ているリリアから返答はない。
イルミはリリアの寝顔を見つめ、小さく微笑む。
「キミが怒ってる理由も泣いてる理由も、まだよくわかんない…」
イルミの声が震える。
「でもちゃんと考える。考えるから…オレのこと好きでいて。ずっと一緒にいようね。たとえ世界が違っても…今度はオレがキミに会いに行くから…」
イルミはリリアの額に頬を寄せ、大切にそっと抱き締める。
「行かないで、リリィ…っ」
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