【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第21章 Echinacea -痛みを癒す-
「あ…」
数時間後、「自宅近くまでリリアが来ている」と執事室から連絡を受けたイルミがようやくリリアを見つけた。
カナリアはイルミに深々と頭を下げる。
イルミはすやすやと眠るリリアのそばにしゃがむ。
「こんな所で寝てたの?」
イルミはリリアの前髪をそっと撫でる。
リリアは疲れているのか、全く起きる気配がなく、ただ寝息を立てるだけ。
イルミはそんなリリアに小さく微笑む。
カナリアはその様子をじっと見つめ、ゆっくりと口を開いた。
「イルミ様、リリア様が仰っていたことをお伝えしてもよろしいでしょうか?」
イルミはリリアを見つめたまま「うん」と短く答えた。
ーーー…
「私も…彼の恋人にはなれないのでしょうか…。私も…違う世界の人間なのでしょうか…」
ーーー…
「泣きそうな顔で、イルミ様のことを"最愛の人"と仰っていました。…以上です」
「最愛ーー…」
イルミはリリアを抱き上げると、カナリアの横を通り過ぎていった。
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