【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第21章 Echinacea -痛みを癒す-
すると、イルミの両頬が温かく柔らかな感触に包まれる。
イルミはハッとしてリリアを見つめると、彼女のエメラルドグリーンの瞳が彼を見上げていた。
「イル…」
リリアの優しい微笑みに、イルミはまた彼女に擦り寄る。
「リリィ…」
リリアはイルミの首に腕を回して抱き締める。
「何で、泣きそうな顔してるの?」
「……してないよ…」
イルミの声が震える。
「ただ…キミが愛おしくて…」
イルミはリリアをぎゅっと抱き寄せる。
「イル…迎えに来てくれてありがとう」
「うん…。心配したよ」
「腕…治ったのね?」
「治るの早いって言ったでしょ?」
「あまり無理はしないで。心配だから」
イルミはこくりと頷く。
「あなたのこと叩いてごめんなさい」
「いいよ。痛かったけど」
「腕の方が痛いんじゃなくて?」
「違うよ。胸の奥が痛かった。だからキミの言ってること…ちゃんと理解したい。…ごめんね、リリィ」
「私の方こそごめんなさい。私も…あなたのこともっと知りたい」
そうしたら、あなたがどうしてあんな考え方をするのか…見える気がする。
考え方は人それぞれだけど…相手の自由を縛ってはいけない。
私は自由のない苦しみを…痛いほど知っているから…。
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