第19章 Globe thistle -傷付く心-

｢友達はキルを裏切るかもしれない。仮に友達が裏切らなかったとしても、キルの方がいつか友達を裏切って…自分の腕を試したくなって殺しちゃうかもしれない｣


イルの口から思いがけない言葉がすらすら出てくる…。

黙って聞いているというより、その言葉の数々に唖然とするしかできない。


｢だからあのゴンって子危険なんだよねぇ…。もうキルのこと友達だと思ってるみたいだし。キルをそそのかしてあの子たちの世界に連れて行かれちゃ困るんだよ｣


イルはそれまで動かなかった視線をそらす。

その後の言葉を出すのに迷いがあるのか、彼は少しだけ口をつぐんだ。


｢住む世界がハナから違うから…｣


私から見た彼は…感情を失ったお人形のように見えた。

これが…暗殺者のイルの顔…？


｢住む世界が…違う？｣


それなら、あなたと私も…住む世界、違うのかな…？

一緒にいたら…いけなかったの…？

私の想いは本物なのに…そんな理由で隔てないで。

キルアくんとゴンくんだって同じ…。


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