【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第18章 Odontoglossum -特別な存在-
「じゃあイル、逆だったらどうする?私が右腕を骨折しててイルから見ても痛そうなのに、全然平気なんて笑って言ってたらどう思う?」
「心配する。全然平気じゃない。リリィはオレみたいに訓練してたわけじゃないから痛みだってーー…」
その瞬間、私は思わずイルの手をぎゅっと握った。
「やっぱり…」
本当にそんな訓練してたのね…。
想像するだけで怖くて…悲しかった。
ゾルディックに生まれた時点で道は決まっている。
ならば当然、英才教育という形で訓練をきっと小さい頃からしてきたのね。
まだ幼かったでしょうに。
でも、そうじゃなきゃ暗殺なんて仕事できない、生き残れないって理屈はわかる。
わかるけどーー…
「イル…もうここはゾルディックのお屋敷じゃない。私もゾルディックの人間じゃないわ。だから…隠さなきゃとか我慢しなきゃとか…そういうことは思わなくていいの…っ」
「リリィ…?どうして泣いてるの?」
イルが私の顔を覗き込む。
涙に濡れて前が見えないけど、きっと彼は顔には出ないけど頭の中は困惑してるはず…。
早く大丈夫と言わなきゃと涙を拭った。
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