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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第18章 Odontoglossum -特別な存在-





「ねぇイル、骨折したとこ…大丈夫?」

「うん。別に痛くないし。正確には痛みは感じるけど、慣れてるから別に耐えられるって言うか…」


イルは本当に眉一つ動かさずに平然と言う。


「それでも、病院には行った方がいいわ。ね?」

「行くけどこんなことで急くことないよ。オレは平気だから」


こんなことでって…。

腕を骨折したことないから、どれほど痛いのか実際にはわからない。

でも、普通なら大の大人でもうずくまって声出るくらいなはずじゃない?

慣れてるからって済む痛みじゃないし、済まされていいことじゃないわ。


「イルにとって腕の骨折なんて微々たることなのかもしれない…」


イルは殺し屋、暗殺者。

きっと幼少期からつらくて苦しくて痛い訓練をたくさん受けて、我慢して、何度も何度も危ない目に遭って、それでも暗殺を続けてきた。


「隠さないでとは言わない」


あなたにはゾルディック家の暗殺者としてのプライドがあることもわかってる…。


「でも…あなたが封じ込めてる色んな苦痛を知らんぷりなんてできない」


こんなの昔から日常茶飯事なのかもしれない。

日常茶飯事だから…こんな痛みさえ慣れてしまったのかもしれない。


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