【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第18章 Odontoglossum -特別な存在-
「ふふっ。ごめんなさい、意地悪して。何もないわ。本当よ?」
「え?」
イルの雰囲気がふっと元通りになる。
「意外とすんなり会長からの許可が下りたようなの。もう試験も終わって、あとは講義だけだからって。メイクも香水も違うのはね、あなたに会うから。いつもと同じじゃつまらないかなと思って」
喜んでくれるかと思いきや、イルは寂しそうな顔をして私の首筋に顔を埋める。
「いつものリリィがいい。花の香り…。リリィが近くにいるって感じがする」
いつもの私…。
ありのままでいいと言われているよう。
そんなこと言ってくれた男性は、やっぱりあなたしかいない。
あなたの言葉はいつも私に新しい喜びをくれる。
「あなたが嫌がるならやめるわ」
「うん…」
イルはそう言うと、ゆっくりと体を離した。
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