【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第18章 Odontoglossum -特別な存在-
「もしかして…ハニートラップ?」
ようやく口を開いたと思ったら、イルから漏れ出る雰囲気が急にひんやりと冷気を帯びる。
「だからいつもとメイクも香水も違うの?リリィはオレ以外の男なんて大嫌いなはずなのに。あ、それともオレに会いたい一心でやったの?本当はすごく嫌なのに。でももうそんなことしなくていいよ。オレとリリィの間に割り込むヤツがいたら、次からはオレにちゃんと教えて」
禍々しいオーラを放ちながら一方的に詰め寄ってくる彼を前にしても、私は微笑みを絶やさずにいられる。
父やゲイルに感じていた、私に対する弾けるような怒りや暴力を振るわれるかもしれないという恐怖は微塵もないからーー…
「ねぇ、わかった?リリィ。リリィ、リリィ、リリィ、リリィ…」
何度も私の名前を呼んで…やきもち妬いてくれてるのかな。
かわいくて愛おしくて…思わず吹き出してしまう。
_