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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第18章 Odontoglossum -特別な存在-





しばらく廊下を歩き、突き当たりを曲がる。


「リリィ」


イルの声に顔を上げた瞬間、唇を塞がれる。

そのまま壁際に追い詰められ、背中にひんやりと土壁の感触がする。

イルの腰に両腕を回すと、彼はゆっくりと唇を離した。

イルの唇が私の口紅でほんの少し赤く色付く。


「本当に…ずっと会いたかったんだよ。試験中もリリィのことばっかり考えてた。こんなに早く会えると思ってなかったからすごく嬉しい」


イルは自分が感情表現があまり上手じゃないことを自覚してる。

だからかしら…?

最近は前より少しだけ、感情を言葉にしてくれるようになった。


「私も…あなたに会えて嬉しいわ」


イルの胸に頬を寄せると、彼が私の肩を優しく抱いてくれる。


「ミザイさんにここのこと聞き出すの大変だったのよ?彼…お堅いから」

「どうやって聞き出したの?」

「ふふ。どうやったと思う?」


ちょっと魔が差して、微笑みながら彼を見上げる。

混乱しているのかな?

彼は私をじーっと見つめるだけで全然口を開かない。


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