【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第18章 Odontoglossum -特別な存在-
そんなふうにずっと考えてくれてたのは嬉しいけど…。
目の前で言われたら恥ずかしくて顔を上げられない…。
「リリィもオレのこと好きだから、ここまで会いに来てくれたんだよね?」
イルはウキウキで私の顔を覗き込む。
そんな彼をまっすぐ見れない。
ヒソカさんの前なのよ…!
イルったら、恥ずかしげもなくというか…こういうことがよくある。
好きな人にこんなことされるの初めてだから対処がわからない…。
これも慣れていかきゃいけないのかしら…。
「キミらはこれからデートでも行くの?」
「どうかな?リリィ次第。ここまで長旅だったろうし。ヒソカ…キミはこれからどうするんだ?」
ヒソカさんは不気味ににんまりと狡猾な笑みを浮かべた。
「じっと待つよ…。果実がおいしく実るまでーー…」
目の前に置かれた好物を、もっと食べ頃になるまで…涎を滴らせながら我慢しているよう。
正常とは程遠い強烈なオーラが充満する。
一刻も早くこの場から去りたい…。
この場にいては危険だと、本能でわかる。
「行こうか、リリィ」
そんな私を察してか、イルが私の手を引き、足早にヒソカさんから遠ざかる。
「ヒソカさんのこと…あのままにして良かったのかしら?」
興奮冷めやらぬって感じで、誰かに絡んでいきそうな勢いだったし…。
「うん。だってヒソカ、自分モード入っちゃったし」
あのままにしていたら警察に捕まりそうな気がするのよね〜。
まぁ、私がどうこうできる話でもないから、あのままにせざるを得ないのだけど…。
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