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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第18章 Odontoglossum -特別な存在-





「うん。折れてるよ」


私はぎょっとして目を見開く。

あまりにイルが平然としているものだから、まさかケガしてたなんて微塵も思ってなかった。


「ど、どうしよう!大丈夫?さっき思い切り抱きついてごめんなさい…」


私が矢継ぎ早にそう言うと、イルは少しだけ微笑む。


「大丈夫。心配ないよ」

「気付かなくてごめんなさい。すぐに手当てしないと…」


医務室なら治療できるわよね…。

私はきょろきょろと周りを見渡す。


「そんなに謝らないでよ。リリィのせいじゃないし。リリィは心配性だね」


イルはハハハと口角だけ上げて笑っている。

いや、笑い事じゃないわ!

心配するに決まってるじゃない…。


ヒソカさんは「折れてる」と聞いてから、一人楽しそうにゴンくんをただじっと見つめていた。

その目はまるで、子供がお気に入りのおもちゃを見つけた時のようにも見える。

でも、お気に入りのおもちゃを自らの手で壊したいって思う子供はそういない。


「面白い素材だ。ヒソカが見守りたいって気持ちがよくわかるよ…」

「だろう…?」


ここにいるってことは、あの年齢でハンター試験に合格したってことだもの。

とんでもない逸材だってことは、それだけでわかるけどーー…


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