【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第18章 Odontoglossum -特別な存在-
「キルアが友達つくるのはダメなのに、何で自分は恋人つくってるの?ずるいじゃん!」
「え?」
今度は私が思わず間の抜けた声を上げてしまう。
さっきからちょくちょく話題に出てくるキルアくんという子…。
イルと何やら関係あるようだけど…。
その子が友達をつくってはいけないよってイルが禁止してるって話…?
私がイルの方を見上げると、イルはうーんと首をひねっていた。
「ずるい?そうかな?」
イルはただ無表情で首を傾げた。
「考えたこともなかったな。オレはリリィがいないと仕事に支障が出る。キルの場合は逆だから忠告してるんだよ」
仕事に支障が出るから…か。
それほど私のことを好きでいてくれてるってこと。
それは嬉しいけれど。
彼の中心にあるのは、ゾルディック家の暗殺者というアイデンティティー。
もしそこに支障がないならば、私はお払い箱。
そこに感情は必要ないから…って、前に一度言ってたっけ。
イルには、仕事とプライベート、暗殺と恋愛という二つの側面を持つって考えは…どうやらないらしい。
でも…それでもいい。
考え方が違くても、隣にいられればそれでいい。
一緒にいたいと思えたのは…あなたが初めてだからーー…
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