【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第18章 Odontoglossum -特別な存在-
イルは嬉しそうに口角だけ上げて、「あーびっくりした」と言いながら私の体を離す。
「何でここにいるの?」
「ハンター協会の知り合いに頼んで特別に入れてもらったの」
私は振り返り、中庭を挟んで向こうの廊下にいるミザイさんに手を振る。
目を丸くしたままだったミザイさんは、手を振る私を見てハッと我に返った様子だった。
そして、彼は微笑んで私に手を振り返すと、そのまま来た道を戻って行った。
「あれって…」
「ミザイさん。協会幹部の方よ。知ってるの?」
イルの顔を見上げると、イルはミザイさんの方をじっと見つめている。
「名前だけね。オレのことめちゃくちゃ警戒してたよ」
「ケンカしちゃダメよ?ミザイさんはベラードの友人で、父の悪いお友達を一網打尽にしてくれた恩人なんだから」
イルは「ふぅん」とあまり興味無さそうにつぶやく。
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