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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第18章 Odontoglossum -特別な存在-





そんな会話をしながら、中庭へと案内される。

春の心地よい晴れた陽の光が真っ白な石材の床を穏やかに照り返す。

土っぽい材質のオレンジ色をした小さめの噴水も、青空目掛けて涼しげに湧き出ている。

気持ちの良い春を感じさせる陽気をめいいっぱい感じていると、中庭の先に数人の人影が見えた。

その中には、長身で黒髪が美しいみどり色の服の愛おしい彼ーー…


「イル…!」


私はすぐにイルの元へと駆け寄る。


「リリア嬢!そっちはーー…」


後ろから私を呼び止めるミザイさんの声もお構いなしに、中庭を横断するように駆け抜け、愛しの彼へと飛びつく。

イルは私の気配を感じたのか、パッと私に振り向くと、反射的に飛びつく私を受け止めてくれた。


「イル!」


イルの胸に飛び込んだ私を、彼は笑顔でぎゅっと強く抱きしめてくれる。


「リリィ…!」


私も彼の腰に手を回して抱きつく。

あぁ……待ち望んだ愛しい彼の体温、におい、感触…。


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