【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第18章 Odontoglossum -特別な存在-
「いえ。私の経営する警備会社は、あなたの住むヒルズやシュピールツォイク社のセキュリティの全て、オフィシャルな場面でのあなたの警護を任されている。大きな取引先のご令嬢の頼みなら聞きますよ。あのベラードさんの口聞きもありますし」
「あら?それはわたくしからのお願いだけではお断りしていたということかしら?」
私が首を傾げながらそう言うと、ミザイさんはバツが悪そうに苦笑いを浮かべる。
「いやいや、そういうわけでは…」
父が死んで、昔からの悪縁を断ち切ろうとしても、相手は政治家や企業のお偉方ばかり。
警察幹部にもその手は及んでおり、どうしたものかと頭を抱えていた。
そんな折、ミザイさんが力になると根こそぎ捕縛してくれた…。
「あの時、『何かあればいつでも頼ってください』と仰ったのをお忘れですか?だから今日もこうしてお願い申し上げましたのに」
すると、ミザイさんはそれまでの固い表情を崩し、困ったように笑った。
「そういうつもりで言ったんじゃなかったんだが…」
そんなミザイさんに私も吹き出すように笑う。
「ふふっ。これからもどうぞよろしくお願いしますわ、ミザイストム様」
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