【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第15章 Purple Anemone -あなたを信じて待つ-
「リリィの手、ちょっとあったかい」
「ドキドキしてるから…。そうすると体温上がるの」
「オレと同じ?」
「えぇ。あなたと同じ」
同じ。
あなたと私。
生まれた場所も育った環境も全然違うけれど、心が通じ合えたとわかる。
私たちは微笑み合い、繋いだ手から伝わる温もりを感じる。
あなたがちゃんとここにいるのだと感じる。
「今日初めてわかったわ。待ってるだけってつらいのね。変なこと考えちゃって…」
さっきまで抱えていた不安を思い出し、うつむきながら話す。
「帰ってこなかったらどうしよう…もう会えなかったらどうしようって、怖かったの」
込み上げる涙を、私はぐっと我慢する。
手が震える。
「リリィ…」
イルは心配そうに絡ませた私の手をぎゅっとしてくれる。
あなたは約束を守ってくれる。
でも、あなたのお仕事は…きっと生易しいものじゃないと思うからーー…
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