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【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第15章 Purple Anemone -あなたを信じて待つ-





「殺し以外何も教えられなかった。何も知らなかった。何も知ろうとしなかった。何も思わなかった。最初は…キミに抱いてるこの気持ちの名前と理由がわからなくて…。自分にこんな感情があるなんて思ってなかった」


イルの声音がいつも以上に優しい。

腕の中がとても温かくて…。

真夏と言えど、夜風に当たって冷えてしまった体には心地良い。


「やっとわかったんだよ。これが好きって感情で、キミのことが大切だからそう思うんだってこと」


イルは私の体を少し離し、黒い瞳で私を見つめた。


「こういう時、何て言ったらいいのかわかんないんだけど…オレはキミのことが好き。リリィ、オレと一緒にいてくれる?」

「…ひとつだけ、約束してくれるなら…」


私は小指を立てて見せた。


「私を一人にしないで…。もしも一人にする時は…私を殺してください」


すると、イルは何の躊躇もなく私と小指を絡ませた。


「いいよ。約束する」

「ありがとう、イル」


私は小さく微笑んだ。


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