【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第15章 Purple Anemone -あなたを信じて待つ-
「…ねぇ、イル?」
私は涙の溜まった目でイルを見上げた。
「それでも私はずっと…あなたを待つわ。だから私の元に…ちゃんと帰ってきてくれますか…?」
私の問いに、イルはちょっとびっくりした顔で私を見る。
「心配してたの?オレのこと」
私は大きく何度も頷いた。
「当たり前じゃない…っ」
震える声を絞り出し、頬には涙が伝う。
「あなたは大切な人なんだから…っ」
あなたを待ち続けて気付いたの。
好きだから…大切だから…死んでほしくないって、また会いたいって思う。
「キミは…オレのために泣いてくれるんだね…」
イルが私の肩を引き寄せる。
「そっか…。キミを助けたいと思ったのは…そういうことだったんだ…」
いつのまにか、泣いていた私はイルに抱きしめられていた。
彼の背中に腕を回すと、より一層強く抱きしめてくれる。
右の胸に、あなたの心臓の鼓動を感じる。
_