第2章 Hardenbergia -奇跡的な再会-

私の空虚な心を埋めてくれたのはフランやベラードを始め、メイドやバトラーのみんなのおかげ。

たぶん…彼らがいなかったら、私は感情を失い、廃人のようになってたと思う。

でもそんな話…誰も興味ないわ。


｢つまらない…ですよね。ごめんなさい｣


私は必死に笑顔を繕う。


｢…別に。ていうか、もう着いちゃったよ｣

｢あ…｣


前を見る。

私は閉ざされた格子状の門の前で立ち尽くす。

門の先には小道と噴水のある庭が広がり、その奥にあるお城のような豪邸。

見慣れてるのに見たくもない館に明かりが灯り始めていた。

…私の自宅。

もう、帰ってきちゃった…。


私が落胆していると、彼が不意に口を開く。


｢ゲイルと一緒にいたのって、奴のところに嫁いでたからなんだろう？｣


びっくりして彼の顔を見た。

何でそんなこと、あなたが知ってるの…？

結婚はしたものの、マスコミにもひた隠しにしてきたのに。


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