【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第2章 Hardenbergia -奇跡的な再会-
この時間がすぐに過ぎ去ってしまうのは、今の私にはあまりに苦痛だった。
「うん。いいけど…」
彼は何だろう?と腑に落ちないような顔をする。
それもそうね。
私の気持ちなんて、他の誰にもわからない…。
「…帰りたくないんだね」
私は思わずビクッと肩を揺らした。
…あぁ、どうして。
どうしてあなたは私のことーー…
「両親との仲があまり良くなくて…。でも嫌なことがあっても、私にはフランやベラードたちがいるから…」
母は笑顔を向ければ男を虜にし、皆が振り返るほど美しい。
父は、生まれてくる我が子を容姿端麗にしたかったようで、ただ美女というそれだけの理由で母と結婚したと聞いた。
だから、二人の間に愛なんてものは皆無。
母はその美しさから男との噂が絶えない。
もちろん、母は父の威を借りて表沙汰にならないよう揉み消すだけ。
地位と名誉と金にしか興味のない父も、おそらく気づいているだろうが何も咎めない。
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