• テキストサイズ

【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】

第2章 Hardenbergia -奇跡的な再会-





この時間がすぐに過ぎ去ってしまうのは、今の私にはあまりに苦痛だった。


「うん。いいけど…」


彼は何だろう?と腑に落ちないような顔をする。

それもそうね。

私の気持ちなんて、他の誰にもわからない…。


「…帰りたくないんだね」


私は思わずビクッと肩を揺らした。


…あぁ、どうして。

どうしてあなたは私のことーー…


「両親との仲があまり良くなくて…。でも嫌なことがあっても、私にはフランやベラードたちがいるから…」


ネグレクトを起こした母に代わり、実の母のように私に愛情を注いでくれて大切に優しく育ててくれた、乳母のフランシスカ。

そして、私をかわいそうな子と見捨てることも名家のお嬢様と隔てることもなく、普通の子供として時に優しく時に厳しく…社交マナーから日々の勉強に至るまでたくさんのことを教えてくれた、教育係兼バトラーのベラード。

他にも、遊びやゲーム、趣味のガーデニングまで、私がひとりぼっちで寂しくないようにと、一緒に遊んでくれるメイドやバトラーのみんながいる。

帰らなくちゃと思うのは彼らがいるから。

父に内緒でこうして外に出してくれたり、理不尽に怒鳴られる私を抱きしめてくれたり、私の好物だけを作ってくれたり、帰る私を温かく出迎えてくれるのも彼らしかいない。


_
/ 215ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp