【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第2章 Hardenbergia -奇跡的な再会-
私は…その礎となるための道具。
そう思いたくはないと、自分の幸せを掴もうと頑張ってきたけど、どれも壊されてきた。
甘い蜜を吸うのはいつも当主である父。
母もそのおこぼれに預かっている。
私は男に生まれなかった時点で、実家を継ぐ資格はないと言われた。
母は私を産み落とした時、子供をもう産めない体になってしまったらしい。
母は私に生まれてこなければ良かったと呪いのように罵声を浴びせ続けた。
父は私に会社を継げない女ならせめて有益になるよう働けと言われ、その役目を全うするだけのただの道具になった。
主に会社にとって今後良い関係が築けると父が判断した汚い男とーー…
思い出したくもない。
そんな家に…もう帰りたくなんかない。
「あの…!」
私は思わず声をかけると、彼が私に振り向く。
「その…もう少しゆっくり歩いても構いませんか…?」
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