【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第12章 Morning Glory -約束-
「今度はあなたの好きなものを教えてくださる?」
「好きなもの…?うーん…。ない」
「じゃあ…これから見つけていきましょ?」
すると、イルミ様は首をかしげた。
「一緒に探してくれるの?」
「え?」
「だって、普通なら『見つかるといいですね』なのに見つけていこうって言ってたからさ」
た、確かに言われてみればそうだ。
その返答に、自分でも気付かなかったことにハッとした。
すると、イルミ様は不意に恥ずかしそうに私から視線を逸らした。
「キミとじゃなきゃたぶん見つからない気がするんだ。だから、一緒に手伝ってくれるといいなって…」
「えぇ。私で良ければ…」
私が笑いかけると、イルミ様は私の方へそっと右手を伸ばす。
その手のひらが私の頬に優しく触れ、あなたの冷たい手がじんわりと温かくなっていくのを感じた。
あぁ、この手が私を何度も救ってくれたのね…。
私はその手に寄り添うように頬を寄せ、イルミ様の手にそっと自分の手を重ねる。
すると、彼は少し驚いたようにハッと息を飲む。
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