【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第12章 Morning Glory -約束-
「本当に…ありがとう…」
私の震えた声がイルミ様に届くと、彼は私の頬を親指でそっと撫でた。
「変な気持ち…。他人を助けたいと思ったの初めてなんだ。だから、どうしたらいいのかわからない。わからないけどーー…」
イルミ様は左手で私の膝の上にあった右手を握る。
「今はこれが精一杯」
あまり感情を表に見せないあなたが…こうして自ら手を握ってくれた…。
それだけで…それだけで十分。
感じたことのないほどに大きな愛しさが込み上げてきて、行き場のない感情が極まって涙が溢れてきそう…。
「ちゃんと伝わってるわ…。ありがとう…っ」
イルミ様は不思議そうに私の顔を覗き込む。
「何で、泣きそうな顔してるの?」
「あなたのことがーー…」
私はそこまで言って口をつぐむ。
「オレのことが…何?」
「いえ。ただ…」
「ただ?」
イルミ様との距離が近い。
こんなに近くにいられることが…私はとても幸せに感じる…。
「私もあなたと同じ想いだと…それだけ伝えますね」
イルミ様は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに微笑みを浮かべる。
「それがキミの精一杯?」
「えぇ。あなたがきっとこれから気付いてくれる感情と同じ感情を、私の胸に今大切にしまってありますから…。きっと、近い内に見つけてくださいね」
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