【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第2章 Hardenbergia -奇跡的な再会-
たぶんさっきのナイフの男だと思う。
気になってそっちの人だかりができてる方を見てしまう。
「見ない方がいいよ」
彼は前を真っ直ぐ向いたまま私にそう言った。
「キミみたいな箱入り娘は特にさ」
彼は前を見ながら淡々とそう言った。
彼に言われたとおり、私もただ前を見て、何事もなかったかのように人だかりの横を通り過ぎた。
「そういえば、私の自宅をご存知なのですね?」
「うん。シュピールツォイクって言ったらあの有名なトイメーカーの家でしょ?豪邸だってここらじゃ噂だし…」
「そう、ですよね。すみません」
私の生家は世界屈指の大企業。
おもちゃやゲームなどの業界を牛耳る巨大トイメーカー『シュピールツォイク』。
もう100年以上も前から代々継いできた家業。
その家を存続させ、繁栄と栄華のためならばどんな犠牲も厭わないーー…
そんな考えが根強くある。
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