【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第10章 Plumeria -内気な乙女-
「ならば尚更、報酬はきっちりお支払いさせていただきます。通常の倍の金額でも構いません」
「どうして?」
「お嬢様に変な虫が付いたままでは困りますので」
イルミは少しの間沈黙したかと思うと、はぁと重く息をついた。
「…へぇ。案外したたかだね。リリアにとっての脅威も消せるし、一度断った報酬をオレが受け取れば手切れ金にもできる…」
「話が早くて助かります。これ以上、お嬢様とはお近付きになりまするな。お嬢様と貴殿とでは住む世界が違い過ぎる」
住む世界が違うーー…
イルミの心がちくりと痛む。
ゾルディック家は他の家とは違う。
それはイルミ自身が一番よく理解しており、自らも何度も弟に言ってきた言葉だった。
「…そっか。そうだね」
だからこそ、イルミは自分がなぜ…今、それを否定したいと思いーー…
「でも断るよ」
それを初めて口にしたのか、理解できていなかった。
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