【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第10章 Plumeria -内気な乙女-
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「部屋を出た。リリアには聞こえないよ。…それで?何の話?彼女に聞かれたくないことなんだろう?」
イルミはリリアのいる客室から2部屋ほど離れた個室に入り、壁に背中を預けた。
「…アリア・ルジュエの暗殺を依頼したい」
ベラードの語気が強くなる。
それほど、彼の覚悟は確かなものだった。
「いいよ」
イルミは間髪入れずに二つ返事でOKする。
ベラードはあまりの軽さに拍子抜けしてしまうも、声に出さないようぐっと飲み込む。
「てゆーか、オレもそのつもりだったし」
「と言うと?」
「言われなくても殺すつもりだった…」
イルミは懐から愛用の黄色い玉のついた針を眺めながら抑揚のない声で言った。
「何、ですと…?」
これにはベラードも少し驚いた声を漏らす。
「だから別に報酬もいらない。最初から殺るって決めてたから」
「そうですか」
ベラードはそう言うと、電話越しに背筋を伸ばす。
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