【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第10章 Plumeria -内気な乙女-
「お嬢様!!このベラードの言葉を聞いておられるのですか!?今すぐゾルディックとは離れてーー…」
「聞いてるよ。お嬢様じゃないけど」
ベラードの早口がピタリと止まった。
「…どちら様です?…いえ、失礼。貴殿こそがイルミ殿…ですね?」
「そうだよ。オレがイルミ・ゾルディック。…で?言いたいこと色々あるんでしょ?」
イルミ様の唐突な登場に、ベラードは珍しくうろたえているようで少しの間沈黙した。
「…お嬢様とはどこでお知り合いに?」
「オレが彼女の両親を殺った時かな。でも、キミが知りたいのってそんなことじゃないだろう?」
「お嬢様の無事は先程の会話で確認できました。たとえお嬢様のお声を真似しよう者がいてもすぐにわかります。このベラード、お嬢様が生まれた時からおそばにおります故。貴殿にお聞きしたいのは、お嬢様の身の安全の保証はできるのか…ただ一点のみです」
ベラードのいつもの毅然とした調子が戻って来ると同時に、イルミ様への警戒心が言葉から伝わってくる。
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