【ハンターハンター】暗殺者のクオーレ・プーロ【イルミ】
第10章 Plumeria -内気な乙女-
「あなたはきっと、自分が思ってるより良い人ですよ」
「そう、かな…?」
イルミ様は困惑したように少し下に視線を向け、じっと一点を見つめる。
「キミと一緒にいると、自分のことがよくわからなくなる。でも、それがなんだか心地良い…。不思議な感覚。何だろう…これ…」
イルミ様は左胸を押さえ、独り言のように小さくつぶやいた。
でも、数秒で我に返った彼は「あ…」と言って顔を上げた。
「そうだ。電話だよね。ちょっと待ってて」
イルミ様はそう言って足早に一旦部屋から出ると、子機を持ってすぐにまた戻って来た。
「はい」
私はイルミ様から手渡された子機を受け取った。
「ありがとうございます。お借りしますね」
イルミ様にお礼を言い、番号ボタンをぽちぽち押して耳に当てた。
プルルルル…プルルルル…とコール音が鼓膜を揺らす。
それからほんの少ししてからその音が途中で消えて、代わりに聞き慣れた声が聞こえてきた。
_